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OCG先史遺産の強みについて考える【このデッキ実際強いの?#4】

先日友人が組んだ先史遺産とシングル(サイド無し)で回していて感じた、先史遺産の

「いくらなんでも弱すぎねぇ?」

という疑問を、対戦した側の目線で解析していきたい。

アーティファクト先史遺産】”ネブラクリスタル”のぶっ壊れ出張パッケージで8期終わりから9期にかけて栄華を極めたカテゴリのイメージが強いが実際のところ今のOCGの感覚ではどうなのか?制約や弱点、他カテゴリとの差別化など少し考えたい。

なおこの記事で考察した内容が【先史遺産】の強化に寄与することは保証できないものとする。

誓約

ネブラディスクの制約は、発動ターン、前後共に先史遺産以外の効果を発動できないだけなので、バグースカの永続効果やホープダブルを出して相手ターンにエクシーズチェンジさせる分には問題ない。アーゼウスも立つまではできる。フォークヒュークで攻撃力をゼロにして殴ってアーゼウス……できないことはない。ただしもちろん制約のかかるターンうららも墓穴もサイクロンも使えない。そのため、この制約のみの段階では、おおよそ壊獣に打開を託すことになる。

アカンバロの土偶の制約は、発動ターン、こちらも同様に前後共に先史遺産しか特殊召喚できない。エクストラメインデッキ両方に発動前後両方にかかる極めて重い制約。幻影やオルフェゴールを考えるとあまりにも重すぎる気がするが……。ネブラディスクを使わない場合こちらは発動するカード名称の制約はないため、汎用カードを使用可能である。ネブラより現代遊戯王的には現実味のある制約である。ただし壊獣系のカードは特殊召喚でない球体形くらいしか使えない。

どちらの誓約も、墓地から特殊召喚する場合にかかる。

つまり墓地アドバンテージを重視する場合、制約の中で戦うことを強いられる。

逆に墓地アドバンテージを封印するか、相手ターンにしか動かないのであれば好きに動くこともできる。

先史遺産技術の制約は、発動ターン、前後共に先史遺産以外の特殊召喚が、エクストラ、メインモンスター共に封じられる。マジで終わってる。アカンバロの土偶ルート以外すべて封殺されるので正直撃つことで負けるとも考えられる。ちなみに、アカンバロと技術の制約は同じだが、アカンバロの制約は既にルートが確定してからかかっているという点で大きく違うと考える。技術の場合は撃ってからアカンバロルートに入れないで何も出来ず死亡する可能性がある。とはいえ、ネブラディスクの制約の都合、汎用カードに頼らずエクシーズまで行かないといけないのであれば、カードカウントを増やす必要に駆られることもあるだろう。

制約下で出てくるモンスターがしょうもない

フォークヒュークマシュマックもどうでもよすぎる。ヴィマナはマジで強い。サイバードラゴンインフィニティはホンマにどうしようもないくらい強い。

先史遺産カードの多くが抱えるカテゴリ制約の都合、どうしても先史らしい動きをすると上記カードから逃れることはできない。だったらフォークヒュークで満足するしかないのか?

ネブラゴールデンシャトルからのインフィニティや、アカンバロやモアイを含むヴィマナを考えるのであれば、まず【サイバードラゴン】など機械族ランク5を組むことが出来るデッキとの差別化できる部分を考えるべきであるか?

セイクリッド系のレベル5モンスターを2体直出しするカテゴリとの差別化

先史遺産には、召喚権を追加する展開カードがあり、エクシーズチェンジせず妨害を直出しするため特殊召喚をしなければならない回数が少なく済むルートがある(ただし普通に特殊召喚しまくるルートもある)

増殖するGに強いのは事実である。しかしニビルに関しては、エクシーズデッキではサイバードラゴンインフィニティなど妨害召喚のタイミングで召喚条件が達成される場合も多く、差別化されてるとは言い難い。

問題は……増殖するGを避けて出すカードがクソしょうもないことにある。

とはいえ、うららやエフェクトヴェーラー、無限泡影といったカードも、現代では1対他交換するカードと交換することを前提に採用している気持ちもあるため、常に1対1交換しかできない先史遺産相手では少しきつい。

メガログローヴ先史遺産石紋をうららで止めることには意義があるが、それでも相手の1妨害を防いだに過ぎない。

基本通常召喚時の効果でアドバンテージを取り、罠を中心にコントロールしていくヒーロービートと同系統のアーキタイプなので、若干罠系のデッキに対して強く出れるのも先史遺産特有の強みと言えないこともない。ただ……エクストラカードが魔法罠を破壊すらしてくれないため、入念なケアによってバックを対処していかなければならない。そのためプレイング要求度が若干高くなってしまう。

こちらの問題には、アーティファクトムーブメントとアーティファクトモラルタによってバックを大量破壊できる可能性があるアーティファクトパッケージで対処できる往年の【AF先史】型なら強く出ることができる。

また、自分ターンに動きづらく、エクストラを多く使わないことから、超融合による打開も相性が良いと思われる。手札コストもアカンバロの土偶やメガログローヴによって回収できる。ディスカードするメリットが薄くエクストラを大量に枠を割かねばならないサイドラ系のデッキとは差別化できる点である。

アーティファクトにしても超融合にしても相手ターンに相手モンスターを処理しながら動くというムーブを自然に取り込めるかどうかが先史遺産的には重要なのではないだろうか?

制約を踏まえた最終盤面

アカンバロかネブラ、どちらかの制約のみならば、

アカンバロ

→汎用カードを自由に使いながらヴィマナが立つ。ただしそれ以外の展開はない。

ネブラ

→汎用カードを全て使用不可。エクシーズに制限なし。

レベル上昇する場合、ランク5の選択に制限はないためインフィニティなどを立てることもできる。

レベル上昇しない場合、先攻ならばバグースカにより封殺できる可能性がある。他にも効果を自分ターンで使用する必要のないランク4であれば使用可能であるため、ホープダブルや竜巻竜ならば妨害できる可能性がある。ホープドラグナーから妨害持ちナンバーズを踏み倒すプランは強力な分メインエクストラ共に圧迫するという問題はあるが、先史遺産のエクシーズモンスターにもアクセス可能かつ素の状態では2ターンかけても8000打点を用意することができない先史遺産の弱点を補いやすい。

攻撃可能なターンならば、セイクリッドオメガ>トレミスM7>アーゼウスで2妨害立てることができる。ただしこの展開の前提に永続魔法による展開があったり、罠を多用する場合が多いカテゴリであるため、アーゼウスによる2妨害は非ィ現実とも受け取れる。

これがどう考えても限界で、とりわけネブラ展開は先史以外使えない以上手札の組み合わせに限界があるため、本当にこれ以上動けないと思われる。一応カテゴリ外のカードでもサイバードラゴンフォトンスラッシャーのようなルール召喚には対応しているが、ただ手札から場に出すだけなら別に先史名称のカードだけで足りているだろう。

アカンバロは、特殊召喚は先史遺産しか行えないが、通常召喚でアカンバロを墓地へ送るためにマスマティシャンのようなカードを使ったり、トリオンの蟲惑魔やアメイズメントコミカのような罠サーチを使用したり、何かと先史以外のカードを使った動きができないわけでもない。ネブラディスクと違ってアカンバロの土偶には、場に先史遺産しか居ない時にしか蘇生出来ない制約はない。コミカちゃん使う場合、トリリオンが手札にあるなら光機械レベル4なのでセイクリッドオメガやギアギガントを踏まえた展開も一応可能である。

ネブラディスクに囚われているからいけないのか?それともアカンバロの土偶こそが金メッキ仕立ての泥船なのか?

以上のことを踏まえると、現代遊戯王的に考えるならば、初動枚数を確保し後手での汎用打開札を採用できるアカンバロ特化の方が幾分現実味のあるイメージになった。

ネブラルートはそもそも相手の誘発自体食らわずにランク4までたどり着くので、バグースカやホープドラグナーにすべてを託すこともやぶさかではないのだが、初動を凌いだとしても次のターン以降ネブラディスクの蘇生を行えないのが致命的である。とりわけバグースカはアーゼウスの1妨害で勝てると判断できるまで守備表示にしておくわけにもいかず、マシュマックワンキルもできないので、ネブラルートは先史遺産以外のエクストラを使えるとしても、石紋またはアカンバロからの展開が確実でない状況ならば使わない方が先のゲームプランを安定させられるだろう。

つまるところネブラディスクを墓地から蘇生するのは、強力なのは間違いないのだが、脳死で成功するとも思えないので、ホープダブルがゲームプランに組み込まれているか、アーゼウスが通る隙を相手が見せるまで積極的に取るべき行動ではないと思われる。

まとめ

よって【ネブラホープ】または【アーティファクトアカンバロの土偶】について考えるべきなのだ!

ここまでの情報を整理するとその辺が最も可能性を感じる組み合わせかもしれない……

特にアカンバロの土偶には無限の可能性を感じる……本当か?

ランク5を素組みできる場合、巨神封じの矢のようなカードから即座にマシュマックワンキルできる見込みが高く、ネブラホープダブルから入る場合、妨害に不安はあるものの石紋があればコンボに繋がりやすい。ダブルアップチャンスは手札コストになりそうだが……それも込みで相性が良いと言えるだろう。

これらの新型【先史遺産】のリスト案については今後考える。

先史遺産で採用するべき汎用魔法罠については、相性が良いと感じるものならなんでもいいのではないか?と感じたので割愛する。制約が関係のない相手ターンにしか発動しないものに関しては、メタの影響が強く、体系的に考えても無駄。

今回は以上。デッキがまとまれば次回に続く。